大崎事件第4次再審請求 最高裁の羊頭狗肉

はじめに
本件は、いわゆる大崎事件を巡る第4次再審請求にかかる最高裁決定である。
大崎事件は、A氏(以下単に「A」という)が、夫B、義弟C及びCの子Eと共謀の上、義弟Dを殺害したとされる事件である。
Aは懲役10年の判決を受けて服役後、これまでに3回、再審請求を行っている。
主な争点は、Dの死因は何であるかという点と、共犯者とされるB,C,E、共謀を目撃したとされる証人I、本件直前にDをD宅まで運んだF及びGの供述の信用性である。
Aは、前者については、確定審において「Dの死体は腐敗が著しく、頸部等に外力の作用した痕跡があるが、他に著しい所見を認めないので、窒息死を推定するほかない」としていたH教授の鑑定を争うべく、「Dの死体の写真によれば、頸椎椎体前血腫が認められることから、Dは非骨傷性頸髄損傷による運動機能障害に陥っていたことは確実であり、また、死体の腸管の外見上の色調や性状から、Dの主たる死因は非閉塞性腸管虚血による広範な小腸の急性腸管壊死であるとした上で、Dは道路脇の溝に顔面から突っ込むように転落し、それによって頸椎の過伸展を生じて運動機能障害に陥り、そのようなDをF及びGが頸椎を保護しないまま不適切に救護したことにより、Dが死亡した」とする埼玉医科大学総合医療センター・高度救命救急センター長J教授の鑑定種を提出し、後者については、「F及びG並びにAの各供述の特徴をそれぞれ分析した結果、F及びGの各供述には、DがD方に到着した際に一人で歩けたか、手を貸す必要があったかなどの点で齟齬があり、また、Dを家に運び入れる行為の記憶だけが不明瞭であるなどとする一方で、Aの供述には矛盾、齟齬はない」とする、立命館大学政策科学部のK教授の鑑定にかかる証拠及び「供述心理学の立場から、実際に体験された可能性が高い出来事について説明している供述と、体験性の有無が問題となる供述との間にみられる供述者特有の文体や談話の展開パターンの差異に着目し、後者の供述の特徴を分析するスキーマ・アプローチの手法を用いて、F及びG並びにAの各供述をそれぞれ分析した結果、F及びGの各供述は体験記憶を適切に反映していない可能性が示唆されるとする一方で、Aの供述には一部を除き注目すべき傾向は確認されず、非体験性徴候は認められなかった」とする淑徳大学総合福祉学部のL教授及び青山学院大学社会情報学部のM教授による、供述心理学的手法を用いた関係者の供述の特徴分析に関する証拠を提出した。
原原審(鹿児島地決令和4年6月22日令和2年(た)1号)及び原審(福岡高宮崎支決令和5年6月5日令和4年(く)25号)が再審開始を認めなかったため、Aが特別抗告した。
判旨
「本件各抗告の趣意は、いずれも、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法433条の抗告理由に当たらない。」
「関係証拠から認められる客観的状況及びそこから推認できる事実としては、以下のようなものがある。
ア Dの死体は、堆肥に完全に埋没した状態で発見されたが、両肺の気管支内腔に堆肥の粉末等が侵入したように見受けられないことから、堆肥に埋没した状態で死亡したものではなく、死亡後に堆肥中に埋められたと推測される。
イ D方は、B方及びC方に隣接しており、これらの敷地はそれぞれ周囲を崖や林に囲まれ、D方に物色された痕跡もなかったことなどから、夜間、D方敷地内に立ち入る者として、D方、B方及びC方の居住者か、これらの居宅への来訪者以外は現実的には想定し難い。
ウ AとDの間には確執があり、A、B及びCらは、日頃からDの存在を快く思っていなかった。
エ 各確定判決において証拠の標目に掲げられたH旧鑑定は、Dの死体は腐敗が著しく、頸部等に外力の作用した痕跡があるが、他に著しい所見を認めないので、窒息死を推定するほかないなどというものにすぎず、死因を断定するものではなかった。」
「ア B、C及びEは、いずれも、自身の確定審において事実を認め、Aの確定審第1審公判においても事実を認める証言をしている。
イ Iは、捜査段階及びAの確定審第1審公判において、AがCに殺害への加勢を要請しているのを聞いたほか、C及びEが帰宅後に犯行に関与した旨を述べていたと供述している。
ウ F及びGは、道路脇の溝付近に倒れていたDをトラックの荷台に乗せてD方に連れ帰り、生きている状態のDを土間に置いて帰った旨の一致した供述をしている。」
J教授の鑑定について
「死体解剖の時点でDの死体は腐敗しており、既に不鮮明又は不明となっていた所見が多かったことなどにより、死体解剖において収集された情報は極めて限定的なものであった。腸管についても、H旧鑑定において、死体の腸管は著しく腐敗、膨隆していたと指摘されていることからすれば、腸管の外見上の色調や性状についても、死体の腐敗が進行していたことを念頭に置く必要がある。また、J教授は、死体を直接検分したものではなく、Dの腸管の一部のみが写った写真から見て取れるその色調や性状等という限定的な情報から推論を重ねて、前記ア記載の結論を導いたものである。J鑑定は、その基礎となる情報等についてこのような問題があった以上、その証明力には限界があるといわざるを得ない。
さらに、H旧鑑定によれば、Dの頭部や顔面に表皮剝脱や挫創、皮下出血等を認めた旨の記載はなく、死体の外表上は、Dが溝に顔面から突っ込むように転落したとの的確な痕跡は見いだし難い。J鑑定は、Dの死体の左右の下肢に認められた大腿伸側から屈側にかけての全面的な皮下出血斑等の広範な損傷状況についても、十分な説明をしているとはいい難く、溝への転落以外にDの身体に暴行等の外力が加えられた可能性についても十分に検討していない。
以上によれば、J鑑定は、Dの死体の状況からは、その指摘するような死因や態様でDが死亡した可能性があることは否定できないという限度で、その証明力が認められるにとどまると考えるのが相当である。」
「他方、各確定審に提出されていたH旧鑑定は、単独では死因を積極的に推認し得るような証明力を有しておらず、各確定判決は、客観的状況から推認できる事実や、B、C及びEの各自白、Iの目撃供述、F及びGの各供述等を併せて、前記第1の2記載の罪となるべき事実を認定したものと解される。
「そうすると、前記の限度で証明力が認められるにとどまるJ鑑定によって、直ちに各確定判決の認定に合理的疑いが生じるとはいえない。すなわち、各確定判決は、死因の特定が困難な中で、他の証拠も併せ考慮して、前記第1の2記載の罪となるべき事実を認定したものと解されるのであって、J鑑定は、十分強固な証明力を有するということであればともかく、死因の一つの可能性を指摘したにとどまる以上、各確定判決の判断の前提に変化を生じさせるようなものではない。」
「仮に所論が主張するように、J鑑定を根拠として、DがD方に到着した時点で既に死亡していたとすると、関係証拠から認められる前記1⑴記載の客観的状況に照らし、事実上、Dの死体を堆肥中に埋めた者は、最後にDと接触したF及びG以外に想定し難いことになる。しかし、F及びGは、Dが道路に寝かされていると知らされ、Aにあらかじめ電話で連絡をした上で、善意でDをD方まで連れ帰ったものであって、F及びGがDの死体を堆肥中に埋めるという事態は、本件の証拠関係の下では全く想定できない。所論が、F及びGの各供述の信用性に疑いを生じさせるとして掲げる事情も、各供述の核心部分の信用性に影響を与えるようなものではない。」
K鑑定、LM鑑定について
「K鑑定及びL・M鑑定は、捜査段階の各供述調書や、Aの被告人質問調書、F及びGの再審請求審における各証人尋問調書等を検討対象とし、各調書に記載された内容に着目して検討をしているが、いずれの鑑定も、供述の信用性を直接的に判断するものではなく、裁判所が供述の信用性を判断するに当たって考慮すべき可能性を指摘するという位置付けにとどまる性質のものであることは、各鑑定自体がその旨言及しているところであり、その検討の過程をみても、他の関係証拠の内容や、供述自体には現れない外在的事情等を考慮に入れていないことなどからすれば、本件において、これらの鑑定は、分析の対象とされた供述の信用性を直ちに減殺又は増強させるようなものとはいえない。」
「以上検討したところによれば、本件各再審請求において提出された各新証拠を併せ考慮してみても、各確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地はないというべきである。したがって、新証拠はいずれも各確定判決の認定に合理的な疑いを生じさせるものではないという原々決定を是認した原決定は、正当である。」
宇賀克也裁判官反対意見
「Aの第3次・Bの第2次各再審請求審に提出されたN教授による鑑定(以下「N鑑定」という。)は、法医学者の立場から行われたものであるのに対して、今次の再審請求審に提出されたJ鑑定は、臨床医、救急医療医の立場から行われたものである。J鑑定は、解剖写真の中でそれまで法医学者が注目してこなかった腸の写真に着目し、小腸の壁に広範な壊死があることを発見し、そこから大量出血したと鑑定した点で、新たな知見を提示するものである。より具体的には、J鑑定によれば、Dの頸椎椎体前血腫は、転落事故による頸部の過伸展に起因して非骨傷性頸髄損傷により出血したものであり、Dは運動機能障害で動けなくなり、外気温が低下し、側溝への転落によりずぶ濡れ状態であったために低体温症になり、腸に血液が送られなくなった結果、急性腸管虚血により腸管壊死となり、腸壁で大量出血を起こしたというのである。
また、N鑑定は、死因に焦点を当てたものであったのに対して、J鑑定は、臨床医、救急医療医の立場から死亡時期に焦点を当てて行われ、その点についても新たな知見を提示するものである。すなわち、Dの頸椎椎体前血腫はかなり重篤なものであり、運動機能障害を惹起する頸部損傷を伴い、頸部を支える上で最重要な前縦靭帯も相当程度損傷していたため、Dを救護する場合には頸部を固定する必要性があったが、F及びGは、Dは泥酔して路上で寝ていると考えたので、酔いを醒まそうとして、FがDの顔を2ないし4回叩いたり、F及びGの二人でDを軽トラックの荷台に放り込んだりして頸部に大きな衝撃を与えたため、高位頸髄損傷により横隔膜運動が麻痺して呼吸が停止し、D方に到着した時点では既に死亡していたことは確実であるというのである。J鑑定は、Dが死亡に至る医学的機序を専門的知見に基づき説明するものであり、また、J教授が、日本救急医学会指導医の資格を有するのみならず、埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター長・診療部長を務めていることに照らしても、J鑑定は、高度の専門的知見に裏付けられた見解として、尊重に値するものといえる。
そして、Dが堆肥に埋もれて発見されており、肺の中に堆肥の粉末が入っていないことから、本件が死体遺棄事件であることに疑いを入れる余地はほとんどないものの、J鑑定によれば、DはD方に運ばれた時点で既に死亡していた以上、その後のDに対するAらによる殺人はあり得ないことになる。そうすると、DがD方に運ばれた時点で生存していたとするF及びGの各供述の信用性や、B、C及びEの各自白並びに殺人の謀議等を耳にしたというIの供述の信用性にも、疑問が生ずることになる。」
「J鑑定は高い信用性を有すると考えるが、原決定のようにそこまで高い信用性を認めない立場に立ったとしても、J鑑定は、DをD方に搬送した時点でDが生存していたというF及びGの各供述、B、C及びEの各自白、殺人の謀議等を耳にしたというIの供述の信用性を含めて、各確定判決の証拠構造全体を動揺させるものであるから、新旧全証拠の総合評価を行う必要性があると考える。」
「K鑑定及びL・M鑑定は、心理学についての深い学識を有する学者の専門的知見に基づくものであって、鑑定人の公正さや能力に疑いが生じたり、鑑定の前提条件に問題があったりする事情は認められないから、供述内容の真偽の総合評価の一環として活用することが認められるべきであり、K鑑定とL・M鑑定によっても、F及びGの各供述のうち、D方到着以後の部分についての信用性が減殺されると考えられる。したがって、K鑑定及びL・M鑑定によっても、新旧全証拠の総合評価を行う必要性が生ずると考えられる。」
その上で、新証拠を含めて検討すればAの犯行には合理的な疑いが生じるので、再審を開始すべきであるとした。
解説
刑訴法435条6号の「無罪・・・を認めるべき明らかな証拠」について、かつては再審請求審に提出されたのみで無罪の心証を抱かせるものであることを要するとの見解(東京高決昭和32年3月12日高刑特4巻6号123頁)も存在した。しかしながら、このような見解に立った場合、それこそ真犯人を連れてくるくらいしか再審が認められる場合は事実上ないということになる。このため、再審請求は「開かずの扉」であると言われてきた。
そのような中、最高裁は、いわゆる白鳥決定において、「確定判決における事実誤認につき合理的な疑いをいだかせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠をいうものと解すべきであるが、右の明らかな証拠であるかどうかは、もし当の証拠が確定判決を下した裁判所の審理中に提出されていたとするならば、はたしてその確定判決においてなされたような事実認定に到達したであろうかどうかという観点から、当の証拠と他の全証拠と総合的に評価して判断すべきであり、この判断に際しても、再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめれば足りるという意味において、「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判における鉄則が適用されるものと解すべきである。」(最決昭和50年5月20日刑集 29巻5号177頁)と判示し、その後の最決昭和51年10月12日刑集30巻9号1673頁(財田川決定)においても、「この原則を具体的に適用するにあたつては、確定判決が認定した犯罪事実の不存在が確実であるとの心証を得ることを必要とするものではなく、確定判決における事実認定の正当性についての疑いが合理的な理由に基づくものであることを必要とし、かつ、これをもつて足りると解すべきであるから、犯罪の証明が十分でないことが明らかになつた場合にも右の原則があてはまるのである。」と判示した。このようにして、最高裁は上記のような考え方を否定した上で、再審請求にあたっては、新証拠により確定判決の事実認定に動揺を与えることで足りるとの見解を示した。
しかしながら、本決定を見る限り、最高裁は白鳥決定や財田川決定の示す原則を表面上は掲げつつも、その実質において、単独での無罪心証形成を要求するかつての見解に立っているのでは無いかと疑問を持たざるを得ない。
まず、J鑑定についてみると、まず「J教授は、死体を直接検分したものではなく、Dの腸管の一部のみが写った写真から見て取れるその色調や性状等という限定的な情報から推論を重ねて、前記ア記載の結論を導いたものである。J鑑定は、その基礎となる情報等についてこのような問題があった以上、その証明力には限界があるといわざるを得ない。」とする。しかしながら、そもそも約50年前に発生した殺人事件について、当時の鑑定と同一の条件での鑑定を要求するということは、どだい無理な話であり、不可能を強いているものと言わざるを得ない。また、宇賀裁判官の反対意見にもあるように、J鑑定は相応の専門的知見を有するJ教授が、当時の記録をもとに具体的にDの死亡時期や死因についてアナザーストーリーを提示するものであり、虚心坦懐にみれば確定審の事実認定に疑問を抱かせる内容である。J鑑定の前提条件が適切なものであるか否かは、鑑定の信用性の問題として再審公判において吟味されるべきものではなかろうか。
次に、「H旧鑑定によれば、Dの頭部や顔面に表皮剝脱や挫創、皮下出血等を認めた旨の記載はなく、死体の外表上は、Dが溝に顔面から突っ込むように転落したとの的確な痕跡は見いだし難い。J鑑定は、Dの死体の左右の下肢に認められた大腿伸側から屈側にかけての全面的な皮下出血斑等の広範な損傷状況についても、十分な説明をしているとはいい難く、溝への転落以外にDの身体に暴行等の外力が加えられた可能性についても十分に検討していない。」とする。しかしながら、再審請求審において、ケースセオリーが全ての証拠をあまねく説明できるまでの水準の立証を要求していないことは、最高裁自身が白鳥決定以来繰り返し説示してきたところである。J鑑定によってDの大腿伸側から屈側にかけての全面的な皮下出血斑等の広範な損傷状況についてどの程度説明がつくかどうかということもまた、再審公判において検討されるべきものであろう(例えばJ教授を尋問するなどの手続が可能であり、再審公判において当然に行われることが予想される手続である)。
本決定が白鳥決定よりも高度の立証を要求しているとの疑念を抱かせる説示は、「J鑑定を根拠として、DがD方に到着した時点で既に死亡していたとすると、・・・事実上、Dの死体を堆肥中に埋めた者は、最後にDと接触したF及びG以外に想定し難いことになる。しかし、F及びGは、Dが道路に寝かされていると知らされ、Aにあらかじめ電話で連絡をした上で、善意でDをD方まで連れ帰ったものであって、F及びGがDの死体を堆肥中に埋めるという事態は、本件の証拠関係の下では全く想定できない。」という部分にも現れている。
結局のところ、最高裁は、再審請求人に対し、全ての証拠について説明できるだけのケースセオリーを提示せよと要求しているに等しく、再審公判における事実認定を先取りしているのである。このような議論は、まさしく再審公判において、当事者主義のもとで弁護人と検察官が議論を戦わせた上で、事実認定者が最終的に判断すべきものであって、公判とは手続構造の異なる再審請求審が先取りして判断し、再審の芽を潰してよいような性質のものではないはずである。
同様のことは、共犯者その他の関係者の供述に関する新証拠についても妥当する。本決定は「いずれの鑑定も、供述の信用性を直接的に判断するものではなく、裁判所が供述の信用性を判断するに当たって考慮すべき可能性を指摘するという位置付けにとどまる」「他の関係証拠の内容や、供述自体には現れない外在的事情等を考慮に入れていない」と非難する。しかしながら、供述と客観証拠との整合性をはじめ、供述の信用性は、最終的には再審公判で判断されるべき問題であり、新証拠が共犯者その他の関係者の供述の信用性評価にあたり新たな視点を提供し、その上で信用性を減殺すべき事情を具体的に指摘している以上は、「供述内容の真偽の総合評価の一環として活用することが認められるべき」という宇賀裁判官の反対意見に理があるように思われる。特に本件は、共犯者の供述以外の証拠が乏しく、その相対的な重要性が高い一方で、共犯者には知的障害があり、一般的に誘導に迎合しやすい特性を有していると考えられていることから、とりわけ供述の信用性評価にあたっては慎重な検討が求められるべき事案であることを踏まえると尚更である。
むすび
再審請求については、具体的な審理手続に関する規定がほとんどないことから、裁判体による手続のばらつきが従前より問題視されており、この点を明確化するよう法改正すべきとの運動が日弁連を中心に行われている。特に、証拠開示については、現状ではほとんどフリーハンドの状態にあり、検察官が不当に開示を拒んだり、存在するはずの証拠を存在しないとウソをついたりすることを実効的に抑止するだけの手段はない。
この問題は、手続面に留まらず、実体的要件に関しても同様である。本決定を見る限り、結局のところ表向きには「疑わしきは被告人の利益に」と言いつつ、実際には相当高度な立証を要求しているという、羊頭狗肉というか最高裁の二枚舌を痛感させられる。この点に関しても、要件をより明確化するなど、再審請求が開かずの扉に逆戻りしないような対策が必要なのではないだろうか。
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