覚せい剤、麻薬・向精神薬 | 福岡の刑事事件相談、水野FUKUOKA法律事務所

福岡の刑事事件に強い弁護士

初回相談無料 092-519-9897 24時間、即時無料相談対応
メールでのお問い合わせはこちら

覚せい剤、麻薬・向精神薬

覚醒剤

定義、法定刑
覚醒剤取締法では、フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類、またこれらを含有する物が「覚醒剤」と定義されています。我が国では、フェニルアミノプロパンが用いられることは少なく、フェニルメチルアミノプロパンが用いられることがほとんどです。
フェニルメチルアミノプロパンは、別名「メタンフェタミン」といい、麻黄と呼ばれる植物から生成される薬物です。日本で開発され、覚醒剤取締法のなかった戦前は薬局で普通に販売されていましたが、戦後の動乱の際にその依存性などの有害性が認識されるようになり、覚醒剤取締法が制定されて現在に至っています。また現在でも、一部の疾患に対して適法に処方されることがあります。
覚醒剤は、「シャブ」「ポン」「冷たいの」「アイス」「エス」など様々な隠語で取引がされています。
覚醒剤については、所持、使用、譲渡、譲受、輸入、製造などが規制の対象となっていますが、実際上もっとも多いのが所持と使用であり、大きな国際空港がある地域などでは、輸入の事案も時折みられます。

使用・所持~逮捕・勾留の可能性 保釈について

覚醒剤の使用・所持については、いずれも法定刑は10年以下の懲役刑と定められています。入手経路などについて証拠隠滅の可能性があるとして、逮捕・勾留されることが通例ですが、最近は少数ながら初犯の場合、在宅で捜査を進める事例もあるようです。
初犯の場合、起訴後に保釈の請求を行うことによって、保釈が認められる可能性は高い類型であるといえます。その際は、100~150万円程度の保釈金の納付を求められることが一般的です。

使用・所持~処分の見込み

覚醒剤取締法違反の場合、よほどのことがない限り、犯罪の嫌疑が十分であれば、公判請求されることが通常です。公判になった場合、前科前歴がなければ、執行猶予付の判決となる可能性が高いといえますが、再犯率が高いため、判決後も十分、注意して生活する必要があります。具体的には、携帯電話を解約して密売人との連絡を絶つ、あるいは医療機関などから適切な支援を受けるといった再犯防止策を徹底する必要があります。
なお、前科がある場合でも、10年以上前のものである場合には、執行猶予付の判決となる可能性も十分にありますが、7~8年程度の場合は実刑になる可能性も相当程度出てきます。また実刑が避けられない場合であっても、一部執行猶予を求めることにより、早期の社会復帰を目指すことが重要です。

治療等のアプローチ

覚醒剤は一度使用してしまうと、生涯にわたって「覚醒剤を使用したい」という誘惑と戦わなければならない危険な薬物です。覚醒剤をひとりで断ち切ることは難しく、薬物依存に関する専門的な精神科クリニックを受診するなどして、医療機関による適切な支援を受けることが重要です。
また、自助団体として、ダルクやジャパンマックなどの団体があり、こうした自助団体に通い続けることも再使用を防止するためには有効です。もっとも、仕事や生活状況、お住まいの地域などによって、適切な団体は異なってくるため、その人に応じた団体を選択する必要があります。

否認事件

しばしば、「尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たが、身に覚えがない」といった否認事件に出くわすこともあります。これについては、覚醒剤は日常生活の中で偶然摂取してしまうようなものではないことなどから、覚醒剤の陽性反応が出た場合は、特段の事情がない限り、自己の意思で摂取したものと推認すべきというのが判例です。もっとも、稀にではありますが、特段の事情が認められて無罪となる事例もあるため、このような事例では、被疑者の話をよく聞き取って、本人の意図しないところで覚醒剤を摂取してしまった可能性がないかを慎重に検討する必要があります。

手続違反

覚醒剤などの薬物事犯でしばしば問題となるのが、捜査手続の違法です。覚醒剤は職務質問を契機に発覚し、その後に警察署に任意同行して尿検査を実施するという流れで捜査が行われることが多いのですが、職務質問や尿検査の際に、捜査官の行為に行きすぎた点があった場合、捜査の違法を主張して、押収された覚醒剤や尿の証拠能力を争うことが考えられます。この場合、本当に覚醒剤を持っていた、あるいは使っていたとしても、証拠能力が認められなければ裁判の証拠とすることはできないため、無罪になります。このような事案では、職務質問の際の様子などを被疑者から丁寧に聞き取った上で、捜査を担当した警察官の証人尋問を請求するなどして、捜査の過程に問題がなかったかを検証していくことになります。

輸入

覚醒剤を製造する際には強烈な異臭がするため、日本国内で覚醒剤が密造されることはほとんどなく、我が国で違法に流通している覚醒剤のほとんどは輸入品であると言われています。輸入に際しては、航空便などを用いる手口の他、いわゆる運び屋が手荷物の中に隠し持って日本国内に持ち込もうとする事案もみられます。
そのような手口の場合、持ち込む量も多く、覚醒剤の営利目的輸入罪に問われることも少なくありません。営利目的輸入罪は、自己使用や単純所持よりも格段に法定刑が重く、裁判員裁判の対象となっています。実際上は、持ち込んだ量にもよりますが、10年近い懲役刑と数百万円の罰金刑が併科されることもあり、極めて重大な犯罪であるといえます。
もっとも、運び屋の事案では、「知らない人から荷物を預かるように言われただけで、中身が覚醒剤だとは思わなかった」などとして、故意を争う事案も散見されます。実際に無罪になった事例も複数あるため、公判での立証に際しては十分な検討が必要です。

麻薬取締法違反

麻薬取締法は、正式には麻薬及び向精神薬取締法といい、麻薬や向精神薬の取扱について規定する法律です。麻薬としては多数の薬物が指定されていますが、代表的なものとしてヘロイン、コカイン、MDMA、LSDなどが挙げられ、それぞれ効果や使用方法などが微妙に異なっています。もっとも、我が国の薬物事犯は覚醒剤が主流であり、麻薬取締法単独の事件はそれほど多くありません。
麻薬取締法上、ヘロインの所持や使用については他の麻薬よりも重いものとされていますが、それ以外の麻薬の所持・使用等については7年以下の懲役刑とされています。もっとも、ほとんどの事案で公判請求されることや、公判になった場合の量刑の見通しなどは、覚醒剤の場合とそれほど代わりません。

向精神薬

医療の現場で用いられる薬品のうち、麻酔薬、睡眠薬、鎮痛薬などの一部は向精神薬に指定されており、処方にあたっては通常の薬品とは異なる手続が必要とされています。時折、薬剤師などの病院の内部の人が、正式な手順を踏まずに向精神薬を持ち出して自己使用したり、あるいは転売したりする事例もあり、このような場合には麻薬及び向精神薬取締法違反に問われることがあります。

危険ドラッグ・シンナー

最近はあまり見かけなくなりましたが、かつて「脱法ハーブ」「合法ドラッグ」などと呼ばれたいわゆる危険ドラッグは、麻薬取締法上、麻薬に指定されていない薬物のことをいうため、麻薬取締法違反の罪に問われることはありませんが、薬事法違反として刑事事件となる可能性があります。
また、こちらも近年はほとんど見かけなくなりましたが、シンナーについては毒劇物取締法において規制がなされています。
 
 
 

刑事事件はスピードが命!
365日24時間即時対応

24時間即時無料相談対応 092-519-9897 弁護士が直接対応 六本松駅から好アクセス

メールでのお問い合わせはこちら