児童買春・児童ポルノ、青少年保護条例 | 福岡の刑事事件相談、水野FUKUOKA法律事務所
18歳未満の児童と性的関係を持ったり、高校生が被写体となっているみだらな写真・映像を作成したりした場合、法律で罰せられる可能性があります。逮捕や起訴を避けるためにも、児童の親と示談交渉を行うなど早めに弁護活動を行うことが重要です。
18歳未満の少年少女と有償で性行為をする、あるいは18歳未満の児童を写したわいせつな画像や映像を撮影・所持・販売する、といった行為は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」で処罰されます。
児童買春とは、18歳未満の児童にお金などを渡して性行為や性交類似行為をしたり、さらに性器等を触る（触らせる）行為をしたりすることを指します。
児童ポルノとは、18歳未満の児童が性行為等をしている姿を映した写真や画像、あるいは裸や下着姿といった「衣服の全部又は一部」を身につけていない姿を映したみだらな写真や画像のことです。
作成・販売する場合はもちろん、所持するだけでも犯罪になります。
一方、お金を払わずに児童に性行為等を行った場合には、金銭などのやりとりがない以上は買春とはいえません。しかしながら、各都道府県では青少年保護条例が制定されており、これらの条例違反の罪で処罰される可能性があります。
児童買春の法定刑は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。逮捕されなかったとしても、起訴される確率は高いため、まずは不起訴処分を目指すことが重要になります。
所持の場合の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、作成・販売の場合の法定刑は3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
児童ポルノ関連は逮捕・起訴率がともに高いため、初期対応が重要になります。
青少年保護条例については、都道府県において法定刑に差がありますが、2年（1年）以下の懲役または100万円（50万円）以下の罰金刑と定めている都道府県が多いようです。初犯であれば、略式命令による罰金刑となることが多いといえます。
児童買春や青少年保護条例などでは、しばしば事実関係が問題になります。
「結婚を視野に入れていた」など真剣に交際していたと認められる場合は、青少年保護条例違反の処罰対象にはならない可能性があります。
児童買春の場合、相手が20歳だと嘘をついていたようなケースなどでは、故意が認められません。そのため、実際には相手が18歳未満だったとしても、最終的に犯罪が成立しないケースがあります。実際には、18歳未満であることを認識していたという点については、捜査機関も慎重に検討する傾向があり、そのような弁解がなされている事案では不起訴処分となることも相当程度あるようです。
なお、13歳未満の児童と性交等を行った場合は、相手の同意の有無に関わらず強制性交等罪や強制わいせつ罪が成立します。
13歳以上の児童と関係を持った場合に比べ、非常に重い罪に問われる可能性があります。
もし児童買春や児童ポルノ所持等の容疑で警察に逮捕された場合、社会生活上大きな不利益を被る可能性があります。
逮捕された場合、長期間身柄を拘束されるおそれがあります。逮捕・勾留を合わせて最大で23日間、自宅に帰れない可能性があるのです。当然その間は会社や学校に行けないため、逮捕の事実が周囲の人間に知られてしまうリスクも高くなります。
被疑者が公務員や大企業に勤めるサラリーマンなどであった場合、マスコミによって実名報道がなされてしまうリスクがあります。特に、現代のネット社会では一度報道されてしまうと事件に関する情報がネット上に半永久的に残ってしまうため、将来にわたって影響が残るおそれもあります。
幼い子どもを性的な対象とすることについては、性嗜好障害として、治療の対象となる可能性があります。特に、再犯を繰り返しているような事案では、医療につなげることで、再犯防止につながることがあります。
