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強制わいせつ、強制性交等

強制わいせつ、強制性交等死傷罪との刑罰と示談

近年、性犯罪の厳罰化が進んでおり、強制わいせつや強制性交等死傷罪についての刑罰は、以前よりも重くなる傾向にあります。もし、こうした性犯罪の加害者になってしまった場合は、逮捕・起訴に至る可能性が高いでしょう。少しでも社会生活に与えるダメージを軽減するため、性犯罪の加害者になってしまった場合に対策を紹介します。

強制わいせつ、強制性交等死傷罪とは?

日本の刑法では、性犯罪を大きく「わいせつ」と「強制性交」に分類しており、次のような罪が定義されています。

〇わいせつに関する罪
  • ・強制わいせつ罪(刑法176条)
  • ・準強制わいせつ罪(刑法178条1項)
  • ・監護者わいせつ罪(刑法179条1項)
  • ・強制わいせつ致死傷罪(刑法181条1項)
〇強制性交に関する罪
  • ・強制性交罪(刑法177条)
  • ・準強制性交等罪(刑法178条2項)
  • ・監護者性交等罪(刑法179条2項)
  • ・強制性交等致死傷罪(刑法181条2項)

いずれも暴行や脅迫を用いる、あるいは泥酔させたり睡眠薬を飲ませたりするなどして抵抗できない状態にして、わいせつ行為や性交等をする行為を罰するものです。また、それぞれに「致死傷罪」が設けられており、被害者に怪我をさせてしまったり、命を奪ってしまったりした場合にはより重い刑罰が科されます。

例えば強制わいせつ罪の刑罰は「6ヶ月以上10年以下の懲役」ですが、強制わいせつ致死傷罪では「無期または3年以上の懲役」になります。ちなみに有期刑の法定上限は20年(加重された場合は30年)ですから、強制わいせつ致死傷罪は「3~20年の懲役、もしくは無期懲役」となります。

“第176条 (強制わいせつ)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。”

“第181条 (強制わいせつ等致死傷)
 1.第176条、第178条第1項若しくは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。”

同じように強制性交においても、強制性交罪は「5年以上の有期懲役」であるのに対し、強制性交等致死傷罪は「無期または6年以上の懲役」とされています。こちらも実際には強制性交罪が「5年~20年の懲役」、強制性交等致死傷罪は「6年~20年の懲役、もしくは無期懲役」の間で刑罰が科されるわけです。

“第177条 (強制性交等)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。”

“第181条 (強制わいせつ等致死傷)
 2.第177条、第178条第2項若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。”

強制わいせつ、強制性交等死傷罪は告訴無しでも成立

平成29年の刑法改正により、性犯罪は「親告罪」から「非親告罪」へと変わりました。簡単に言うと、「被害者の告訴がなくても、加害者を起訴できる」ように変わったのです。性犯罪は、被害者側が肉体的・精神的な苦痛の深刻さから、告訴自体を負担に感じてしまうという問題がありました。こういった種々の課題を解決するため、性犯罪は告訴がなくても起訴が可能な非親告罪になったわけです。

ただし、これらの犯罪は、あくまで被害者の性的自由を侵害する犯罪ですから、被害者と示談が成立しているか否かは、親告罪でなくなった現在においても非常に重要です。

強制わいせつ、強制性交等死傷罪で示談を成立させることの重要性

一般的に刑事事件における示談の成立には、次のようなメリットがあります。

  • ・起訴前の示談成立により、不起訴処分になる可能性があがる
  • ・不起訴処分になることで「前科」が付かない

ただし、逮捕後は身柄を拘束されて外部との接触が著しく制限されるため、弁護士のサポートが必須です。弁護士を通じて「裁判にかかる時間や労力を回避しつつ示談金を受け取れる」といったメリットを被害者側に伝えなくてはなりません。また、お金よりも「最大限の謝罪と更生の意」をしっかり伝えられるかも焦点となります。こういった課題をクリアしてはじめて、示談成立の可能性が生まれるわけです。特に性犯罪は示談自体を拒否されることも多いため、刑事事件に強い弁護士の力が欠かせないのです。

刑事事件で逮捕されると、最大23日間に及ぶ勾留期間や、起訴後の有罪率の高さ(99%超)など、加害者の人生を崩壊させかねないリスクがふりかかってきます。こういったリスクをできるだけ小さく抑えるためにも、弁護士への早急な相談を検討してみてください。

逮捕・勾留のリスク

当然ながら、性犯罪は被害者のいる犯罪であり、また密室で行われることが大半であるため、被害者の供述が重要な証拠となる犯罪類型であるといえます。このため、被害者に働きかけて供述の変更を迫ったり、あるいは告訴の取り下げを迫るなどする可能性が高いと判断されることが多く、逮捕・勾留されるリスクの大きな犯罪であるといえます。
逆に言えば、被害者との示談交渉が進展しており、成立の見込みが高いと判断されるような場合には、逮捕・勾留のリスクはその分低いものとなります。このため、事実関係に間違いがない場合には、早急に示談交渉を開始する必要があります。とはいえ、示談交渉を被疑者本人が行うことは事実上、不可能であるため、弁護人に早期に依頼する必要があります。

起訴されるリスク及び起訴された場合の量刑

強制わいせつ、強制性交等罪については、被害者との示談が成立しない場合、起訴される可能性が非常に高いと考えられます。このため、逮捕・勾留されてしまった場合、早急に示談交渉を行う必要があります。
起訴された場合、起訴後に示談が成立した場合や、未遂であり、わいせつ行為自体も性的自由に対する侵害の程度が軽いと思われるような場合には、執行猶予が付く可能性もあり得ますが、そうでない場合の多くは実刑判決となることが予想されます。

否認事件

強制性交等罪、強制わいせつ罪は、13歳以上の被害者については、被害者の意思に反して性交等やわいせつ行為を行うことで成立する犯罪です。このため、被害者が同意していた場合や、同意していると誤信していたような場合は、これらの犯罪は成立しません。
強制性交等罪、強制わいせつ罪で逮捕されたものの、同意があると思っていたという場合には、嫌疑不十分での不起訴を目指して活動し、起訴されてしまった場合には無罪を主張していくことになります。
性犯罪は多くの場合、密室で行われることから、被害者の供述が中心的な証拠となることが多く、供述内容が客観的な状況に整合するかどうかなどの点を慎重に検討する必要があります。

裁判員裁判

強制わいせつ致死傷罪、強制性交等死傷罪については、裁判員裁判の対象事件となっています。通常の裁判と比較して、裁判の進め方などが異なってくるため、刑事事件の中でも特に専門的な対応が必要になってきます。

被害者参加

強制わいせつ罪、強制性交等罪については、被害者参加の対象事件とされています。被害者参加についてはこちらをご覧下さい。
被害者参加がされた場合、被害者参加弁護士という被害者の側に立って活動する弁護士が公判に参加することになり、被告人質問が行われたり、被害者の立場から量刑について意見を述べたりするといった活動が行われます。被害者参加弁護士による質問や意見陳述は、検察官よりも手厳しいものになることがしばしばですので、被害者参加が行われている場合には、事前の準備をしっかり行う必要があります。

性依存症の治療

性犯罪を繰り返してしまう人については、性依存症という精神疾患が背景にある可能性も念頭に入れておく必要があります。このような場合には、依存症治療を専門とする医療機関や自助グループと連携を行い、再犯防止のための体勢が整っていることを主張・立証していくことが考えられます。

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