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少年事件

少年法の仕組み

20歳未満の少年に関する事件については、成人とは異なる手続が取られます。
少年については、捜査の結果、検察官が、犯罪の嫌疑が十分であると判断した場合には、必ず家庭裁判所に送致されます。
成人と異なり、起訴猶予処分はありません。
家庭裁判所に事件が送致された後は、軽微な事件などで審判を開かずに終了する場合もありますが、家庭裁判所調査官が調査を行った上で、少年審判が開かれ、保護観察処分や少年院送致などの保護処分となります。
 

保護処分

成人事件の場合、量刑のポイントは、行為自体の重大性、非難可能性です。
これに対して、少年事件の場合、非行事実自体は軽微であっても、家庭環境に問題があるとか、交友関係が不良であるなどの問題点が認められる場合には、少年院送致となる場合もあり、成人の場合とは異なる対応が必要になってきます。
具体的には、家庭環境の見直し、交友関係の見直しなどの生活の立て直しに加え、就職先を探したり、学校に通っている場合には、引き続き通学を継続できるように通学先と交渉を行う等の環境調整が非常に重要です。
 

検察官送致

重大事件については、少年であっても、家庭裁判所の調査を経て検察官に事件が戻され、検察官が起訴して通常の刑事事件として取り扱われることがあります。
とはいえ、少年については、刑罰よりも、保護観察や少年院での教育的措置を行う方が、改善更生にとってはプラスになることが多いといえます。
このため、起訴された後であっても、刑事罰ではなく、保護処分が必要かつ相当であると主張して、事件を再び家庭裁判所に移送するよう求める主張をすることが考えられます。
また、交通違反で罰金刑が見込まれる場合や、既に複数回、少年院送致歴があり、保護処分を行っても改善の余地に乏しいと思われる場合などにも、検察官送致がなされることがあり、こうした場合の対応については、重大事件とは異なる考慮が必要になってきます。
 

当事務所の取り組み

私は、福岡県弁護士会子どもの権利委員会に所属し、少年事件や児童虐待などの問題に積極的に取り組んでいます。
少年事件については、背景に複雑な家庭環境や貧困など、少年本人の力だけではどうしようもない事情が存在することもしばしばですが、弁護士が関与する中で、少年自身が事件のことや日頃の生活状況などを真摯に見つめ直し、思いがけない成長を見せることもあります。
こうした少年達の立ち直りや成長をお手伝いすることも、弁護士の重要な職責であると考えています。
少年事件については、上記の通り、成人事件とは異なるノーハウが必要であるだけでなく、協力雇用主や少年の各種支援団体などと、常日頃からネットワークを築いていることが、環境調整にあたっては非常に重要です。
このため、刑事事件専門をうたっている弁護士が、少年事件にも精通しているかというと、必ずしもそのようには言い切れません。
特に近年は、少年事件の件数はかつてと比較して大幅に減少しているため、少年事件に取り組む弁護士も少数精鋭化する傾向にあります。
弁護士に依頼する際には、その弁護士がどの程度少年事件について知識・経験・ネットワークを有するか、慎重に見極める必要があります。
 

費用について

少年事件の場合、資力などに関する一定の要件を満たした場合には、日弁連の委託援助制度(リンク)を利用することにより、家庭裁判所における審判手続について、少年本人や保護者の自己負担なしで弁護士に依頼することも可能です。
詳細については、まずはお問い合わせください。

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