弁護士会職員による横領事件の報道を受けて 見直そう!会計の落とし穴 | 福岡の刑事事件相談、水野FUKUOKA法律事務所

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以下のようなニュースが飛び込んできた。
弁護士会職員を逮捕 1200万円着服容疑 仙台地検

仙台弁護士会の事務員が、弁護士会照会(弁護士が、弁護士会を通じて、公私の団体に対して照会を求める制度。弁護士法23条の2に基づくので「23条照会」ともいう)の手数料などを横領し、その合計額が約1,200万円に上るとのことである。
実は、弁護士会職員による横領事件は今回が初めてではなく、2020年にも大阪弁護士会で同様の事例が発生している。以下のウェブサイトに記事が残っている。
また、あまり報道されることはないものの、弁護士事務所でも、事務職員による横領事件というのは現実に事例があるようである。

弁護士会の特徴として、一般企業と比較し、以下のような点が挙げられる。
1 中小企業と比較しても、規模によってはかなりの金額を取り扱う。日弁連が公表している弁護士白書2021年度版(ネット上に公開されており、誰でも見ることができる)によれば、2020年度、最も収入の多い東京弁護士会は約20億円の収入があり、東京には第一東京弁護士会、第二東京弁護士会もあり、全部合わせると約40億円になる。最も収入の少ない弁護士会でも、約5000万円の収入がある。
2 その割に、事務職員の数が少なく、かつ、ほぼ全員が正規雇用(と私は認識している。違っていたらすみません)のため、特定人に権限が集中しがちで、また職員同士が顔見知りのため、「まさかあの人に限って・・・」ということが往々にしてある。実際、今回の報道を見ても、「20年分以外にも、13~21年の同会会計に多額の不明金が発生している」とあり、同一の職員が約10年にわたって経理業務を任されていたことが推測される。
3 弁護士会は株式を発行して上場しているわけではないので、上場企業ほど厳格な監査を受けるわけでもない。また、株主のような強力なステークホルダーもいない。
4 さらに、特有の事情として、弁護士会費や各種事務手数料は原則として現金払いで、窓口で支払われるものも多い。
これらの事情は、一般企業と比較しても、弁護士会の会計には横領のリスクが相当程度あることをうかがわせるに十分である。
また、弁護士事務所についても、特定の事務員に報酬金口座や預かり金口座の出納、経理業務を委ねているなど、不正が発生しやすい環境にある事務所が少なくないであろう。

ところで、私は、以前、ある法人において発生した横領事件に関する調査を行ったことがあり、そこでは、業務フローや経理処理等において多数の脆弱性が認められ、このことが原因となって、長年かつ多額の横領が看過されてきたということが判明した。その際、「こうした不祥事を未然に防止するために、あらかじめ業務フローや会計処理の問題点をチェックして指摘するという業務は、需要があるのではないか」と考えるに至った。
そこで、知り合いの会計士と相談の上、このたび、弁護士会、弁護士事務所等を対象に、横領等の不正行為が発生するリスクを見積もる任意の内部統制監査や、既に発生した不正行為について、再発防止を目的とする内部調査を実施するサービスを提供することを思い立った。あくまで思いつきであるが、正式にご依頼をいただければ、見積もりの上具体的な手順(特に、秘密保持や監査・調査の範囲の設定が重要になってくるだろう)について協議することができるよう、準備を進めている。

弁護士個人が不祥事を起こした場合もそうであるが、弁護士会のスタンスは、どうしても個人の責任追及(=懲戒手続)に偏りがちで、また不祥事の原因も、弁護士個人の倫理観の欠如等に帰せられることが少なくない。なぜそのような事象が発生したか、再発防止のために具体的にどのような仕組み作りをすれば良いか、といった観点がまだまだ不足しているように思われる。
これは、鉄道事故などと比較すると明らかである。我が国では、信楽高原鉄道脱線衝突事故を契機に鉄道安全推進会議(TASK)が発足し、事故の責任追及ではなく、再発防止を目的とした公正な調査を行うこととなった。その後、JR西日本福知山線脱線事故の際には、国土交通省の内部におかれた航空・鉄道事故調査委員会が調査を行い、約300頁に渡る調査報告書を提出した。そこでは、「鉄道事故の原因を究明し、事故の防止に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない」と冒頭に明記されている。一般企業・官公庁においても、不祥事が発生した場合には、責任追及とは別の観点から、再発防止を目的として第三者委員会を設置して調査・報告を行うという慣行は徐々に広がりつつある。
会計の専門家と協力しながら行うので、思いもよらない点に指摘がなされることもあるかもしれない。何事も予防が大切である。
興味がある方は、こちらのフォームからどうぞ。
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