保釈にまつわる話~よくある誤解~ |福岡の刑事事件相談、水野FUKUOKA法律事務所

福岡の刑事事件に強い弁護士

初回相談無料 092-519-9897 24時間、即時無料相談対応
メールでのお問い合わせはこちら

保釈にまつわる話~よくある誤解~

事務所公式HP

友だち追加

はじめに

衆議院議員の河井克行さんについて、東京地裁は令和3年3月3日に保釈を認める決定を行った。

今回は、保釈に関して、一般の方がしばしば誤解されている点を説明しておきたい。そんなの言われなくても知ってるよ!という方にはつまらない内容になるので、あらかじめご容赦いただければと思う。

 

①保釈請求は何度もできる

保釈は一発勝負ではない。実際、河井克行さんの場合は5回、妻の河合案里さんの場合も5回目の保釈請求で保釈が認められている。保釈を巡る状況は、裁判の進行によって時々刻々と変わるので、その都度、適時に保釈請求を行うというのはよくある話である。具体的には、起訴後すぐ、第一回公判期日後、主要な証人の尋問が終了した後、被告人質問なども全て終わり、結審したタイミングなどが節目である。

②たくさん保釈金を払えば保釈が認められるわけではない

法律上の判断順序としては、まず、保釈の要件を満たしているかどうかを検討し、これが認められるとされて始めて、では保釈金をいくらにしようか、という点の検討に移るというのが建前である。このため、どうやっても保釈の要件を満たさないだろうという人については、何億積もうが認められないものは認められないわけである。

もちろん、保釈の要件が微妙な場合、例えば共犯者が複数いるとか、実刑判決の可能性が高いと言った場合については、その分保釈金は高めに設定されることが多いと言える。また、実際には、保釈金額に関して、裁判官と電話や面談でやり取りをすることもある。但し、市場で魚の競り落としをするみたいに、うまく立ち回れば値切れるというものではない。

③有罪判決でも保釈金は戻ってくる

保釈金については、有罪判決であっても、それだけで戻ってこないと言うことはない。逃亡や罪証隠滅など、一定の行為に該当しなければ、保釈金は全額戻ってくるというのが法律の仕組みである。この点は、有罪だと戻ってこないとか、実刑だと戻ってこないと誤解している人も意外に多いので、注意してほしい。

逆に言うと、本当は無実であっても、保釈の際に裁判所から指定される条件に違反するとか、逃亡して連絡がつかないとか、口裏合わせをしようとしたと言った事情があれば、保釈が取り消された保釈金が戻ってこないと言うことはありうるし、これは、後に無罪判決を受けたからといってひっくり返るわけではない。カルロスゴーンさんが有罪なのか無罪なのかはおそらく未来永劫決着がつかないと思われるものの、取り上げられた総額15億円の保釈金が戻ってくることはないのである。

おわりに

捜査段階での釈放が難しい事案であっても、起訴後早期の段階で保釈の請求をすることは重要である。これについても、迅速に対応することが求められるし、必要な身元引受書などの証拠収集や、場合によっては裁判官との交渉などを行う必要があることもしばしばである。

弁護人は起訴後から依頼することもできるので、早期の保釈を検討されている方は、一度相談してみることをおすすめする。

事務所公式HP

友だち追加

その他のコラム

最決令和6年11月15日令和6年(し)761号 不服申立て期間の起算点

決定要旨 弁護人からの証拠開示命令請求を棄却した決定に対しては、弁護人は、検察官又は被告人以外の者で決定を受けたものとして即時抗告をすることができるほか、被告人のため即時抗告をすることもできる。そして、弁護人が被告人のため即時抗告をする場合、その提起期間は、証拠開示命令請求を棄却した決定の謄本が被告人本人に送達された日から進行する。 弁護人からの証拠開示命令請求を棄却した決定の謄本が先に弁護人に送達され、その後に被...

外国人の勾留理由開示請求やってみた

戸舘圭之弁護士の「勾留理由開示を活かす」を購入したこともあり、久留米簡易裁判所で、外国人の被疑事件(全面否認)について、久々に勾留理由開示請求をやってきたので報告。以下は全て公開法廷におけるやり取りである。 1 事件番号は令和7年(る)第2号。相変わらず低調な利用であるが、私の前に誰かやった人が一応いるらしい。 2 裁判官は、ちゃんと勾留状を発布した人が出てきた。当職の経験上、別の裁判官が対応したのは福岡簡裁の1件のみで、...

続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ14 100件突破 持続化給付金判例百選なるか

はじめに 持続化給付金の不正受給について、一般の方や、全国で同種事案の弁護人をされる先生方の参考になるよう、持続化給付金の判決について、情報収集を行い、分析を続けている。前回の記事から、さらにいくつかの判決に関する情報を入手した。 これまでの過去記事は以下をご覧いただきたい。 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ13 大型事件の傾向未だ見えず 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ12 新たな展開 続報 持...

不見識極まりない検察官 薬物事犯における一部執行猶予を巡る目を疑うような主張

はじめに 昨今、検察官の質の劣化が指摘されて久しい。当地においても例外ではなく、証拠開示の遅延、書面の提出期限を守らないといった手続的な側面から、尋問における拙劣な質問や、自ら秘匿決定を申し立てておきながら、質問の中で被害者のプライバシーを自ら口にするなど、枚挙に暇がない。 そのような中、本件では、検察官の業務の中でも最もメジャーな部類に属する薬物事犯の情状立証において、法に対する無理解、無知を露呈するとしかいいようの...

刑事事件はスピードが命!
365日24時間即時対応

24時間即時無料相談対応 092-519-9897 弁護士が直接対応 六本松駅から好アクセス

メールでのお問い合わせはこちら