【文字起こし】【衝撃】裁判官インサイダー疑惑【それはバレるだろう】
金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引を行っていたという疑惑が浮上した。 インサイダー取引の規制に関する証券取引等監視委員会の異常なまでの自信や、弁護士業界におけるインサイダー規制などについて、元監査法人勤務のうぷ主が解説する。
以下は、文字起こし(一部改変)です。
皆さんこんにちは弁護士の水野です
なかなかどうなんだというようなニュースが飛び込んできましたので
ちょっと皆さんに紹介しつつ今日は私の経験なども踏まえながら
少しお話をさせていただきたいと思います
どんなニュースかということなんですが
ちょっと読売新聞の記事を私の方でEvernoteにクリップして引用しております
こちらになりますね
金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引か?ということで
こちら見てみると
金融庁に出向中の裁判官が職務を通じて知った株式公開買付(TOB)などの企業情報をもとに株取引を行った疑いがあるとして
証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反で強制調査を受けていたことが分かったということです
具体的にどういうことをしていたのかというと
裁判所から金融庁に出向中の30代の男性裁判官が
仕事でTOBを予定する企業から提出される書類の審査などを行う業務を担当している
その職務で知ったTOBの情報などを基に
その対象企業の株式を本人名義で買い付けたり売却したりしていた疑いが持たれているということのようなんですね
やるよな~と思いますね
それはバレるやろっていう話ですよね
どういうことかというと
実は私昔ホームページも書いてるんですけど
監査法人に勤めてたことがあるんですね
当然監査法人っていうのは上場企業の中に入り込んで、決算書類なんかを見て監査をするっていう仕事なので、当然インサイダー情報とか日常的に触れるわけですよ。
なので実際問題そのやろうと思えばできてしまう環境にあるので、いろいろと会社内の内部規定でそういう株取引自体が禁止になっていたりとか、いろいろと細かい制限があるんですね。
そこで細かい制限があるのでそこについて研修を最初の入社時にだいたい行われるのでそこでインサイダー取引とは何かみたいな話から取り締まりの仕組みみたいなところまで結構研修でみっちりとあるということなんですね
そこで非常に覚えているのが結局証券等監視委員会って日本の役所の中では相当優秀な部類に入るというかですね
かなり私が監査法人に勤めてた10年ぐらい前の時点で
このインサイダー取引を見つけ出すプログラムというかシステムを
かなり綿密に構築しているらしく、こういうTOBみたいに株価が大きく上がったり下がったりするような特定のイベントがあった場合
その前後の取引を全部ピックアップするらしいんですね
その上で明らかに怪しいもの、これは内部情報を知ってないとこういう買い方は普通しないだろうというようなものを検索というか自動的に洗い出して見つけ出してくるような
どうもそういうシステムを既に10年前の時点で組んでいるらしいんですね
これ私も研修の中で聞いた話なのでまた聞きですが、
当時から証券取引委員会のメンバーというか勤めている人は
「100%見つけてみせます」と豪語していたらしいんですね
それだけ自信があるということは、よほどのものを向こうは持っているのだろうなと感じます
実際、人の名義や他人の名義で売買したものでも、
結局足がついてしまう事例がほとんどです
この裁判官は自分の名義で買ったり売ったりしていたので、
それはバレるでしょう、バレバレですよね
別にバレないようにやればいいというわけではもちろんないですが、
それはバレるだろうという話です
しかも、この人は金融庁にいるわけですから、
規制の仕組みなどは普通に考えればわかるはずです
なのに、こんなバレバレの手口で売るとは……
よくこれでバレないと思ったな、というレベルの話です
だから、こんな話を聞くと、お金に困っているような事情でもあるのかなとか、ちょっと疑ってしまうレベルの話なんですよね。
だから、どうなんだろうというところは思いますね。
今後その周辺、本当にインサイダー取引をやったのかどうかも、今の時点では確定的には疑いの段階なんで分かりませんけれども、その点も含めて、あとどれぐらいの規模でやっていたのかとか、あるいはその動機、例えば借金があってとか、そういうのがもしあるんだったら、それはそれで解明というか、再発防止という意味ではやっていかないといけないんでしょうし。
しかも裁判官は証券取引等委員会にも全然出向していたりしますからね。
だからよくこんなバレバレなことをやるよな、というふうに正直思います。
これはもう裁判官の話なので、あまり対象となる人間というのは少ないかもしれないですが、我々の弁護士業界の話も少し最後にしておきたいと思います。
弁護士業界もやっぱりM&Aの大型案件だとか、上場企業を日常的に相手にするような会社、日常的に相手にするような事務所の場合は、やっぱり事務所の内部の規則でそういう株の取引とかっていうのはほぼ一律にダメというふうになっている事務所も少なくないみたいですね。
逆に私みたいに個人の依頼者だとか、あるいは中小企業、ほとんど個人企業みたいなところがメインのお客さん依頼者のような事務所だと、インサイダーとか主要にしても情報がそもそも入ってくるもとはないですから、私なんかは普通に投資ということで株を買っています。
売ったり買ったりして儲けようというよりかは、どちらかというと地元の福岡の企業を地域活性化という意味で、貯金に回す分から福岡の地元の会社の株をちょこちょこ買ったりするのがメインですけどね。
でもそれでもやっぱりちょっと気にしますよね。一応、四季報なんか見て、関係のある弁護士が知り合いだったらちょっとどうかなという気もします。その人がインサイダー情報を私にくれるということは、普通はないんですけどね。
そういうふうに疑われないようにこちらも気をつけてやっている部分はあると思いますので、こんなバレバレなことをするなよというふうに思います。
これから弁護士で就職活動を考えておられる方は、一応その辺も一つの事務所選びの基準として考えていてもいいのかなと思います。
だから要は大きな事務所、いわゆる大手の事務所とかに行ってしまうと、ちょっとそういう投資関係とかは自分でできなくなりますよと。ちょっと私も分かりませんが、私も監査法人に行ったときに、特定の株式にひも付いていない投資信託だとか、そういうのは全然普通にやってもらって構いませんよとか、ちょっと細かい規則が監査法人ごとにあるみたいです。
だから、全く金融商品全般が取り扱えないかというと、もちろんそういうことではないでしょうけれども、やっぱりインサイダー取引とかと言われると困りますし、結局その人自身というよりも、やっぱり監督責任みたいな話にもなります。
また、依頼者との信頼関係も当然関係してくるので、そこはかなり広めに規制がかかっていることが多いだろうなと思います。だから、弁護士をしながらそういう投資家や投資関係にチャレンジしてみたいと思っている人は、あまりそういうところに就職してしまうと、活動の幅ややりたいことが少し制限されてしまうということもあり得ます。
その辺は一応気をつけておいたほうがいいでしょう。もちろん、地方都市の事務所でも、地元の大きな企業の顧問をしているところだと、その株は簡単には買えないだろうと思います。就職活動の際に投資を考えている場合、顧問先にそういうところがないかを聞いておいたほうがいいかもしれません。
やはりインサイダー取引は、時々ニュースで上がってきますが、やっぱり割に合わないことが多いです。相当な予算と人員を投入して、証券取引等監視委員会は監視に努めているため、悪事の中でも特に割に合わないものといえるでしょう。
特に金融庁に出向する裁判官は、だいたいエリートコースを進んでいる人が多く、最終的には最高裁を目指せるような人が多いとされます。だからこそ、なぜそんなことをして摘発されるのかという感想を持たざるを得ません。
今も昔も一定数の人間がいれば、悪いことをする人は出てきます。しかし、今回のケースは、ツイッターの投稿よりも遥かに危険な行為です。場合によっては弾劾裁判で罷免もあり得るかもしれません。出向中だと規定がどうなるのかは不明ですが、注意が必要です。
弁護士も、特に投資を考える場合、無縁ではありません。最近は資産形成の一環で一般の人もNISAなどを始めていますが、落とし穴も多いです。
裁判官は証券取引等監視委員会が「絶対見つけます」と豪語していることを知っていたはずです。それでも突破できる自信があったのかどうか、気になるところです。
はい、今日はこれぐらいにします。短めの動画となりましたが、本日はこれで以上とさせていただきます。皆さん、どうもありがとうございました。
業務で知った企業の内部情報をもとに株取引をした疑いがあるとして、金融庁に出向中の裁判官が、証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で強制調査を受けたことが関係者への取材で分かった。
監視委は東京地検特捜部への告発も視野に調査している。
関係者によると、強制調査を受けたのは金融庁企業開示課課長補佐の30代男性。裁判官として任官し、今春の異動で金融庁に出向した。金融庁への異動に伴い、裁判官の身分は外れている。
出向してまもなく、業務を通じて知った情報をもとに株取引を開始し、数カ月にわたり、複数の企業銘柄の株取引を繰り返した疑いがある。監視委は8月ごろから調査を進め、今年秋、課長補佐の自宅などを強制調査したという。
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