【速報】福岡県感染拡大防止協力金詐欺事件で有罪判決【コロナ協力金詐欺】 |福岡の刑事事件相談、水野FUKUOKA法律事務所

福岡の刑事事件に強い弁護士

初回相談無料 092-519-9897 24時間、即時無料相談対応
メールでのお問い合わせはこちら

【速報】福岡県感染拡大防止協力金詐欺事件で有罪判決【コロナ協力金詐欺】

店舗を通常営業していたにもかかわらず、休業又は時短営業したかのように装って、福岡県感染拡大防止協力金を不正に受給した被告人らに対し、福岡地方裁判所(鈴嶋晋一裁判長)は、令和4年2月18日に有罪判決を言い渡した。

判決によると、被告会社Aの経営者である被告人B、及びその経理担当者である被告人Cは、被告会社Aが運営していた複数の飲食店について、実際には通常通り営業していたにもかかわらず、福岡県からの要請に従い、休業したなどと偽って、福岡県感染拡大防止協力金合計1044万円をだまし取ったとされる。他に、被告会社Aが、ホストクラブを無許可営業した風営法違反などの罪でも起訴されていた。

鈴嶋晋一裁判長は、「新型コロナウイルス対策の協力金制度を悪用し、従業員に指示した上で繰り返し不正受給を行っており、犯行態様は巧妙で常習性があり悪質である。同種犯行を抑止するためにも厳罰を以て臨む必要がある」などとした上で、被告人Bについては、「被告会社Aの経営者として決定的な役割を果たしており、執行猶予を付すことは相当でない」として、懲役3年、罰金100万円(他没収、追徴あり)の実刑判決を、被告人Cについては、「従業員に具体的な指示をした上、詐欺の実行行為を自ら行う等、果たした役割は重要」としつつも、自身で被害弁償金を用意して、全額の被害弁償を行ったことなどを考慮し、懲役3年執行猶予4年、罰金80万円の判決を言い渡した。

水野弁護士コメント

持続化給付金詐欺の事案と比較した場合、被害額が1,000万円を超えていれば、首謀者的地位にいる者については、全額を返金しても執行猶予か実刑か、微妙なラインとなる。被告人Bについては、実質的に自らの出費や努力で返金したとは評価できないこと、Aの代表者として首謀者的地位にあるといえること等から見て、実刑はやむを得ないと思われる。これに対して被告人Cは、Bとの比較でいえば従属的な地位に留まると言える上、自らの出費・努力で全額を返金していることを踏まえれば、裁判官としても、実刑判決は躊躇されたところと思われ、限界的な事例であると考えられる。いずれについても、持続化給付金詐欺の事案と比較して、同程度の量刑になっているものと評価できる。

判決文・報道記事提供のお願い

データベースを充実させるため、持続化給付金不正受給に関する判決文や報道記事をご提供いただける方を探しています。
こちらからお願いいたします。

その他のコラム

持続化給付金の不正受給(詐欺)について

はじめに 新型コロナウイルスにより、売上高が減少した個人事業主などを救済するための、持続化給付金という制度が悪用されている。困ったことに、犯罪組織などの反社会的集団が、言い金儲けの手段として目を付け、普段は犯罪とは無縁な一般人を言葉巧みに誘い、犯罪に走らせるという出来事が全国で無数に発生している。今回は、持続化給付金の不正受給について、手口や、万一関わってしまった場合の問題点、国の対応に対する疑問などについて述べていきたい。...

B型肝炎弁護団横領事件の続報 【予告するのはホームランだけにしてくれ】

はじめに 以前に紹介した B型肝炎訴訟熊本弁護団における横領事件について現時点で分かっていることをまとめてみた(2024/1/16 19:30更新) これについての解説動画はこちら 【圧倒的独裁】B型肝炎訴訟熊本弁護団で発生した横領疑惑について思うこと【絶対的権力は絶対に腐敗する】 に関連して、とんでもない続報が入ってきた。 令和6年1月30日付熊本日日新聞の報道によると、熊本県弁護...

少年事件の管轄 マークイズ事件に関する疑問

はじめに   最初に、こちらの報道記事をご覧いただきたい。 逮捕の少年を福岡家裁に送致 福岡地検 事件は鹿児島家裁に 商業施設刺殺事件   「明るくかわいい孫」手負えぬ一面も…少年の祖父苦悩 福岡の女性殺害事件   福岡市にある大型商業施設で、今年の8月に、15歳の少年が面識のない女性を刺殺するという事件が発生した。少年は、複雑な家庭環境に育ち、児童福祉施設や...

B型肝炎訴訟熊本弁護団における横領事件について現時点で分かっていることをまとめてみた(2024/1/16 19:30更新)

本件が注目されるようになった経緯 1 令和6年1月12日、熊本県民テレビが、「全国B型肝炎訴訟熊本弁護団の預かり金から多額の使途不明金が見つかっている」と報じる。 2 同日午後4時半頃、熊本県弁護士会長、全国B型肝炎訴訟熊本弁護団の現団長である(村山雅則弁護士・熊本県弁護士会)らが、弁護士会館にて記者会見を行う。 3 記者会見では、全国B型肝炎訴訟熊本弁護団の元団長であるU弁護士が、約1億4千万円の使途不明金を発生さ...

広島地検検察官公務災害に思うこと

はじめに 検察官自殺で 公務災害認定を遺族が申請 という記事が報道されている。 これによると、令和元年12月に自殺した広島地検検察官(当時29歳)について、公務災害の認定を申請する手続が行われたということである。公務災害というのは、公務員の労災のことである。 実はこの事件については、別に、令和3年1月6日付で、東洋経済オンラインにおいて 広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか という記事があ...

刑事事件はスピードが命!
365日24時間即時対応

24時間即時無料相談対応 092-519-9897 弁護士が直接対応 六本松駅から好アクセス

メールでのお問い合わせはこちら