持続化給付金不正受給に関する続報
令和3年1月19日に、続報 福岡で持続化給付金詐欺の摘発相次ぐという記事で、福岡県で持続化給付金不正受給による摘発が相次いでいることをお伝えした。
今回、さらに、福岡県警が同様の事案を摘発した。
こちらをご覧いただきたい。
逮捕段階ということもあるので、名前については*に置き換えた。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、福岡市城南区に住む建設作業員の19歳の少年です。
また福岡市南区の建設会社社長、*容疑者(40)ら3人も再逮捕されました。
警察の調べによりますと*容疑者らは2020年6月、新型コロナで影響を受けている事業者に支給される持続化給付金を少年に不正に申請させ、国から100万円をだまし取った疑いなどが持たれています。
警察は4人の認否を明らかにしていませんが、今回逮捕された少年は別事件で逮捕された別の少年から勧誘されたということです。
警察は、*容疑者らがあわせて1億3000万円近くをだまし取ったと見て調べを進めています。
実はこの集団は、先日の記事で紹介した事案と同じグループである。別の報道によれば、警察は不正受給を行ったリストを入手しているとのことであるため、芋づる式に犯行が発覚しているものと思われる。
記事を見る限り、この逮捕された建設作業員の少年は、他人に不正受給を持ちかけたわけではなく、自ら申請を行って不正受給を行っただけのようにも見受けられる。こうした者の場合、早期に弁護人を選任し、家族が身元引受を行う等することによって、逮捕・勾留されるリスクを下げることができる。しかしながら、持続化給付金不正受給は、国を被害者とする100万円の詐欺罪であり、それ自体重大犯罪であることや、背後に組織的な関与がうかがわれることなどもあり、類型的に逃亡や証拠隠滅の可能性が高いと考えられるため、警察が捜査の必要上、逮捕する必要があると判断した場合には裁判官に逮捕状を請求し、裁判官もこれを認める可能性が高いものと考えられる。おそらく今回、逮捕された少年は、警察官による任意の取調べに出頭しないなどの状況が続くなどして、逃亡や証拠隠滅の可能性が高いと判断されたのではないかと推測される。
逮捕・勾留を回避し、在宅捜査で進めてもらうことは、仕事に就いている、あるいは学校に通っている場合には特に重要である。このため、単に誘われて書類を出しただけ等と軽く考えずに、早期に弁護士に相談して対応を検討する必要がある。
また、今回逮捕された少年のように、20歳が間近に迫っている場合は要注意である。というのも、事件が未成年のうちに処理されるのであれば、少年審判による手続を受けることができる一方で、途中で成人してしまうと、大人と同じように刑事手続によって処理するより他になくなってしまうためである。
いずれにしても、早期に弁護士に相談することをおすすめする。
その他のコラム
最決令和7年5月21日令和7年(し)328号 第1審の有罪判決をした裁判官が当該被告事件の控訴裁判所のする保釈に関する裁判に関与することはできないとした事例
判旨 記録によると、頭書被告事件の控訴裁判所である札幌高等裁判所が、同被告事件の第1審の有罪判決をした裁判官を含む合議体で、保釈請求を却下する決定をし、原審が、申立人からの異議申立てを棄却する決定をしたことが明らかである。 しかしながら、控訴裁判所において、当該被告事件の第1審の有罪判決をした裁判官には、事件について前審の裁判に関与したという、刑訴法20条7号本文の定める除斥原因がある。そして、控訴裁判所のする保釈に関する...
仙台弁護士会横領事件 弁護士会で横領が発生するメカニズムを考える【明日は我が身】
仙台弁護士会において、事務職員が会の経費約5000万円を横領したとして起訴され、内3500万円の横領が認定されて、懲役4年6ヶ月の実刑判決を受けるという事件が発生した。 https://news.yahoo.co.jp/articles/29cf18ffc8b7976374f9a06695aa9f728e80c436 約3500万円横領 仙台弁護士会元...
【速報】B型肝炎訴訟弁護団長逮捕
従前より、 B型肝炎訴訟熊本弁護団における横領事件について現時点で分かっていることをまとめてみた(2024/1/16 19:30更新) B型肝炎弁護団横領事件の続報 【予告するのはホームランだけにしてくれ】 にて取り扱ってきた、熊本県のB型肝炎訴訟弁護団長による横領疑惑について、以下のような報道がなされている。 【速報】B型肝炎訴訟の元弁護団長を逮捕 業務上横領疑い 熊本県警 全国B型肝炎訴訟...
司法試験への心構え この一矢に定むべし 徒然草とゴールデンカムイに学ぼう
1 旧帝大の驚くべき司法試験合格率 私は、九州大学法科大学院で「精神医療と法」という講義を担当しており、ロースクールの学生と交流する機会がある。 そこで驚いたのは、九州大学法科大学院は、司法試験の合格率が全国平均を下回っているということであった。 気になって調べてみると、京都大学、一橋大学、慶應義塾大学は合格率が60%を超えており、全体の合格率は40%程度であるのに対し、九州大学法科大学院は23.4%に留まってい...
続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ7 小康状態は捜査の遅延か
はじめに 持続化給付金の不正受給について、一般の方や、全国で同種事案の弁護人をされる先生方の参考になるよう、持続化給付金の判決について、情報収集を行い、分析を続けている。前回の記事から、さらにいくつかの判決に関する情報を入手した。 これまでの過去記事は以下をご覧いただきたい。 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ6 執行猶予判決の増加は「第2波」の到来を予感 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ5 背景事情...





