持続化給付金不正受給に関する続報 |福岡の刑事事件相談、水野FUKUOKA法律事務所

福岡の刑事事件に強い弁護士

初回相談無料 092-519-9897 24時間、即時無料相談対応
メールでのお問い合わせはこちら

持続化給付金不正受給に関する続報

令和3年1月19日に、続報 福岡で持続化給付金詐欺の摘発相次ぐという記事で、福岡県で持続化給付金不正受給による摘発が相次いでいることをお伝えした。

今回、さらに、福岡県警が同様の事案を摘発した。

こちらをご覧いただきたい。

持続化給付金詐欺の疑い 19歳の少年ら4人逮捕 福岡県

逮捕段階ということもあるので、名前については*に置き換えた。

詐欺の疑いで逮捕されたのは、福岡市城南区に住む建設作業員の19歳の少年です。

また福岡市南区の建設会社社長、*容疑者(40)ら3人も再逮捕されました。

警察の調べによりますと*容疑者らは2020年6月、新型コロナで影響を受けている事業者に支給される持続化給付金を少年に不正に申請させ、国から100万円をだまし取った疑いなどが持たれています。

警察は4人の認否を明らかにしていませんが、今回逮捕された少年は別事件で逮捕された別の少年から勧誘されたということです。

警察は、*容疑者らがあわせて1億3000万円近くをだまし取ったと見て調べを進めています。

実はこの集団は、先日の記事で紹介した事案と同じグループである。別の報道によれば、警察は不正受給を行ったリストを入手しているとのことであるため、芋づる式に犯行が発覚しているものと思われる。

記事を見る限り、この逮捕された建設作業員の少年は、他人に不正受給を持ちかけたわけではなく、自ら申請を行って不正受給を行っただけのようにも見受けられる。こうした者の場合、早期に弁護人を選任し、家族が身元引受を行う等することによって、逮捕・勾留されるリスクを下げることができる。しかしながら、持続化給付金不正受給は、国を被害者とする100万円の詐欺罪であり、それ自体重大犯罪であることや、背後に組織的な関与がうかがわれることなどもあり、類型的に逃亡や証拠隠滅の可能性が高いと考えられるため、警察が捜査の必要上、逮捕する必要があると判断した場合には裁判官に逮捕状を請求し、裁判官もこれを認める可能性が高いものと考えられる。おそらく今回、逮捕された少年は、警察官による任意の取調べに出頭しないなどの状況が続くなどして、逃亡や証拠隠滅の可能性が高いと判断されたのではないかと推測される。

逮捕・勾留を回避し、在宅捜査で進めてもらうことは、仕事に就いている、あるいは学校に通っている場合には特に重要である。このため、単に誘われて書類を出しただけ等と軽く考えずに、早期に弁護士に相談して対応を検討する必要がある。

また、今回逮捕された少年のように、20歳が間近に迫っている場合は要注意である。というのも、事件が未成年のうちに処理されるのであれば、少年審判による手続を受けることができる一方で、途中で成人してしまうと、大人と同じように刑事手続によって処理するより他になくなってしまうためである。

いずれにしても、早期に弁護士に相談することをおすすめする。

その他のコラム

ほんとうにあった怖い事例 蛇~ローテーション

判例を調べていると、こんな事例が本当にあったのか!と思うような事例にでくわすことがしばしばある。今回は、そのような事例をひとつご紹介する。 大判昭和7年10月10日大刑集11巻1519頁である。 事件が発生したのは昭和6年12月24日。満州事変が発生したのが昭和6年9月18日であるから、その約3箇月後、徐々に戦争の足音が聞こえてきているような時代である。もちろん、現代のように、12月24日だからと言ってのんきにクリ...

続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ4 徐々に増える実刑判決 20210804

はじめに 持続化給付金の不正受給について、一般の方や、全国で同種事案の弁護人をされる先生方の参考になるよう、持続化給付金の判決について、情報収集を行い、分析を続けている。前回の記事から、さらにいくつかの判決に関する情報を入手した。 これまでの過去記事は以下をご覧いただきたい。 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ3 不可解な地域差 20210703 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ2 20210616 ...

【衝撃】裁判官インサイダー疑惑【それはバレるだろう】

      金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引を行っていたという疑惑が浮上した。 インサイダー取引の規制に関する証券取引等監視委員会の異常なまでの自信や、弁護士業界におけるインサイダー規制などについて、元監査法人勤務のうぷ主が解説する。   業務で知った企業の内部情報をもとに株取引をした疑いがあるとして、金融庁に出向中の裁判官が、証券取引等監視委員...

制度の不備にとどめの一撃を与えた経産省官僚による給付金詐欺

はじめに 持続化給付金の不正受給による詐欺事件が、全国的に大きな問題となっていることは、当事務所のコラムで繰り返し掲載してきた。 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ2 20210616 持続化給付金の不正受給(詐欺)について そのような中、同種の家賃支援給付金を不正に受給したとして、現職の経済産業省の官僚2名が逮捕されたという衝撃的なニュースが飛び込んできた。本稿では、この事件に関して考察すると共...

続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ9 第一波と第二波の端境期

はじめに 持続化給付金の不正受給について、一般の方や、全国で同種事案の弁護人をされる先生方の参考になるよう、持続化給付金の判決について、情報収集を行い、分析を続けている。前回の記事から、さらにいくつかの判決に関する情報を入手した。 これまでの過去記事は以下をご覧いただきたい。 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ8 役割分担の評価の難しさ 続報 持続化給付金詐欺 の判決まとめ7 小康状態は捜査の遅延か 続...

刑事事件はスピードが命!
365日24時間即時対応

24時間即時無料相談対応 092-519-9897 弁護士が直接対応 六本松駅から好アクセス

メールでのお問い合わせはこちら